お問合せ先

電話問い合わせ【0476-85-5387】
お問い合わせは、こちらをクリックして問い合わせフォーマットにご記入いただき、「送信」ボタンを押して内容をご確認のうえ、送信してください。

救命士パパの料理哲学・第6弾 「料理も家事も“命の現場”俺の料理哲学。」

勤務明け、誰もいないキッチンに立つことがある。



包丁を握りながら、ふと考える。「俺の料理って、なんなんだろうな」と。

救急救命士として24年間、命の現場にいた。
真夜中だろうが嵐だろうが出動し続けた。
人の“生きる瞬間”と“終わる瞬間”を、何百回も見てきた。


そんな俺が、退職後に夢中になったのが――料理だった。

最初はただの趣味だった。
だが、やっているうちに気づいた。
料理も、現場も、根っこは同じなんだと。
どちらも「段取り」と「観察力」がすべてだ。

火の通り具合を見ながら、焦げそうな鍋を見守る。
まるで患者の容態を観察しているような感覚になる。


「今、少し温度が高いな」「このままじゃ崩れる」
そう感じた瞬間に手を打つ。それが要領というものだ。

そして、もうひとつ大事なのは“心”だ。


どんなに手際よくても、そこに思いやりがなければ味は整わない。
俺が救急現場で一番大切にしていたのは、“心の温度”だった。


患者や家族の不安に、ただ寄り添う。それだけで救われる瞬間がある。


料理も同じだ。
家族が「うまい」と笑えば、それだけで一日の疲れが吹き飛ぶ。
そこに理屈はいらない。心を込めた料理は、人の心をあたためる。

よく、「家事はめんどくさい」と言う人がいる。
俺も昔はそう思っていた。


だが今は違う。
家事も料理も“人生の訓練”だと思っている。
時間の使い方、段取り、気づき、そして感謝。
どれも仕事にも人生にも直結している。

料理のコツをひとつ挙げるなら、「完璧を目指さない」ことだ。
焦げてもいい。味が少し薄くてもいい。
大事なのは「もう一回やってみよう」と思える心。
それが、人生を前に進める力になる。

俺は料理を通して、“生きる要領”を学んでいる気がする。


手際よく、でも丁寧に。焦らず、でも諦めず。
それはまるで、命の現場で身につけた生き方そのものだ。

今日もキッチンで包丁を握る。
音もなく切れる玉ねぎの感触が、なぜか心を落ち着かせる。
「生きるって、こういうことなのかもしれないな」と思う。
家族が笑顔で食卓を囲む――それが、俺の哲学だ。
料理も家事も、要領と心。
それが、俺の“生きるレシピ”である。

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP