朝の5時。
街がまだ深い眠りの中にいる頃、ひとりで外に出た私は、ふと空を見上げました。
そこには、今年最後の満月が浮かんでいたんです。
太陽のようにギラギラと照らすわけではない。
でも、闇夜を“そっと”押し返すような、あの静かな光。
――あぁ、満月ってこんなにも優しく世界を照らしてくれるんだな。
そんなことを思った瞬間、胸の奥がじんわり熱くなった。
救急救命士として24年間、真夜中だろうが嵐だろうが現場へ向かってきた日々。
あの頃の私は、まるで太陽みたいに「全力で照らすこと」こそ正しい。
そう信じていた気がします。
でも、今朝の満月を見て思ったんです。
“強く照らす光だけが、誰かを救うわけじゃない” って。

各国で“違うものに見える月”から気づいたこと
日本では満月の影を「うさぎ」に例える。
アメリカでは「カニ」。
他の国でも、女性に見えたり、ライオンに見えたり、実にさまざま。
同じ月を見ているのに、どうしてこんなに違うのか?
文化?
価値観?
育ってきた背景?
きっとその全部なんでしょう。
私はふと、職場や家族、人間関係のことを思い出しました。
救急現場でも、事業所のスタッフ育成でも、
どうしても人は「自分の見え方が正しい」と思いがちです。
でも月は、どの国の見方も否定しない。
太陽のように押し付けない。
ただそこに浮かんで、誰もをそっと照らしている。
“見え方は違っていい。どれも正しい。”
満月を見ながら、そんな当たり前のことを改めて噛みしめました。

経営者として、私は「満月の光」でありたい
会社を立ち上げた時、私はこう誓いました。
「自分が幸せにならなければ、他人を幸せにはできない」
派手に照らす太陽にならなくてもいい。
スタッフや利用者さんが迷ったとき、
――あ、ここに光がある。
そう思ってもらえる存在でありたい。
誰かを追い立てる光ではなく、
そっと背中を押せる光。
太陽のようなエネルギーで道を切りひらく時期もある。
でも、満月のように静かに寄り添う時期もある。
その両方を使いこなせるリーダーが、本当に強いんだと感じています。
最後に──満月が教えてくれたリーダー像
満月は、闇を消し去るほど強くはない。
それでも、「歩くには十分な光」をくれる。
私もそんな人間でありたい。
利用者さんに。
ご家族に。
スタッフに。
強い光じゃなくていい。
必要なとき、必要なだけ光を届けられる人になりたい。
満月を見上げながら、そんな決意を静かに胸に刻んだ朝でした。
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