本日は、心理学にある「スキーマの不一致」についてお話ししたいと思います。最後まで読んでいただけると幸いです。
「価値観の違いだから仕方ないよね」
職場でも、家庭でも、友人関係でも。
この言葉を使ったことがある人は、きっと少なくないはずです。
話し合っても噛み合わない。
説明しているつもりなのに、なぜか伝わらない。
最終的に出てくるのが、この一言。
でも、心のどこかで
「本当にそれだけかな?」
そんな引っかかりを感じたことはありませんか?
価値観の違いで済ませるほど、モヤモヤは残る
「価値観が違う」と言うと、
それ以上考えなくてよくなります。
相手も悪くない。
自分も悪くない。
だから仕方ない。
一見、とても大人な考え方です。
でも現実はどうでしょう。
- 同じ人と、何度も同じところでつまずく
- 似たタイプの人と、いつも衝突する
- 「またか…」という疲労感だけが積み重なる
もしこうした感覚があるなら、
問題は価値観そのものではないかもしれません。
問題は「見えていない前提条件」
人は誰でも、無意識のうちに
「こういうものだ」「これが普通だ」という
前提条件を持って生きています。
心理学では、これをスキーマと呼びます。
スキーマとは、
- 過去の経験
- 育った環境
- 成功体験や失敗体験
こうしたものから作られた
物事の捉え方のクセです。
そして厄介なのは、
本人にはその存在がほとんど見えないこと。
同じ言葉でも、頭の中では別物
例えばこんな場面。
「早めにやっておいてください」
言った側は
「今日か、遅くとも明日には」という意味。
でも、受け取った側は
「期限より前ならOK」という意味で理解している。
どちらも間違っていません。
ただ、前提が違うだけです。
これが「スキーマの不一致」です。
ここを無視したまま話を続けると、
人は相手をこう評価し始めます。
- 伝え方が悪い
- 理解力がない
- 常識が違う
でも実際にズレているのは、
人格ではなく、前提条件です。
相手を変えようとすると、必ず疲れる
スキーマの違いに気づかないまま関わると、
人は「相手を正そう」とします。
もっと説明しよう。
もっと分からせよう。
自分の考えが普通だと証明しよう。
でもこれは、
違うメガネをかけている人に
「そのまま見なさい」と言っているようなもの。
うまくいかなくて当然です。
疲れるのは、あなたが弱いからではありません。
構造的に、しんどいやり方をしているだけです。
スキーマに気づくと、関係は一段ラクになる
大事なのは、
「どっちが正しいか」を決めることではありません。
- 相手は、どんな前提で話しているのか
- 自分は、どんな当たり前を基準にしているのか
ここに目を向けるだけで、
人間関係の摩擦は驚くほど減ります。
「価値観の違い」で終わらせていた違和感は、
実は理解できるズレだった。
そう気づけたとき、
相手を見る目も、自分への評価も、少し変わるはずです。
まとめ
話が噛み合わないとき、
すぐに「価値観の違い」で片付けてしまうのは簡単です。
でも、その前に一度だけ立ち止まってみてください。
前提条件が、違っているだけかもしれない。
そう考えられるようになると、
人間関係は「戦う場所」ではなく、
「調整できるもの」に変わっていきます。
コメント