みなさん、心理学の一種「ジャムの法則」についてご存知でしょうか?もう知っているよという方はご放念ください。
興味のある方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。

先日、40代なかばの知人とコーヒーを飲みながら話をしていたときのことです。
彼はぽつりと、こんなことを言いました。
「ちゃんと考えて選んでいるはずなのに、いつもあとから後悔するんですよね」
話を聞くと、家電を買うときも、保険を見直すときも、転職を考えるときも、とにかく徹底的に調べるそうです。
比較サイト、口コミ、SNS、YouTube解説。
「ここまでやったら、もう大丈夫だろう」と思えるところまで、情報を集めてから決める。
それなのに──
いざ決めたあと、数日、あるいは数週間経つと、必ず頭をよぎる。
「あっちの方が良かったかもしれない」
「もう少し調べていれば、もっと良い選択があったんじゃないか」
この感覚、思い当たる人は少なくないはずです。
真面目な人ほど、なぜ迷い続けるのか
ここで大事なのは、彼が「優柔不断な人」ではないという点です。
むしろ逆で、
- 責任感が強い
- 失敗したくない
- 周囲に迷惑をかけたくない
こうした気持ちが強い、いわゆる「ちゃんとした大人」。
40代、50代になると、選択の重みは自然と増します。
若い頃なら「まあ、ダメならやり直せばいい」で済んだことも、
- 家族
- 仕事上の立場
- 将来の生活
こうしたものが絡むと、一つひとつの判断が「人生を左右する決断」に感じられてくる。
だからこそ、人は考えます。
「もっと情報を集めよう」
「他に良い選択肢がないか確認しよう」
でも、その真面目さが、ある落とし穴を生んでいるのです。
ジャムの法則という、意外な心理
その落とし穴を説明するのが「ジャムの法則」です。
有名な実験があります。
スーパーの試食コーナーで、ジャムを並べる数を変えた実験です。
- 6種類のジャムを置いた場合
- 24種類のジャムを置いた場合
すると、24種類の方が多くの人が足を止め、興味を示しました。
しかし、実際に購入した人の数は、6種類の方が圧倒的に多かったのです。
さらに重要なのは、購入後の心理。
選択肢が多いグループほど、
- 決断に時間がかかった
- 選んだあとも迷いが残った
- 満足度が低かった
という結果が出ました。
つまり、人は「選択肢が多いと満足しそう」に見えて、
実際にはその逆が起きているのです。
なぜ後悔が消えないのか
選択肢が多いと、脳はこう考えます。
「選ばなかったものの中に、もっと良い答えがあったのでは?」
これがいわゆる「機会損失」の感覚です。
選んだ瞬間に、選ばなかった無数の可能性が頭に残り続ける。
だから、
- 買ったあともレビューを見てしまう
- 転職後も求人サイトを眺めてしまう
- 人生の選択を何年も振り返ってしまう
こうした行動が起こります。
そして人は、自分を責め始めます。
「自分の判断力が足りなかったのでは」
「もっと賢い人なら、うまく選べたはずだ」
でも、それは違います。
問題は能力ではなく、選択肢の数です。
迷い続ける人が共通してやっていること
ここまでの話を整理すると、迷い続ける人には共通点があります。
- とにかく情報を集めようとする
- 正解は一つだと思っている
- 選ばなかった選択を、あとから何度も考える
これらはすべて、「失敗したくない」という誠実さから来ています。
だからこそ、余計につらくなる。
選択のたびにエネルギーを消耗し、
決めたあとも心が休まらない。
楽になる人がやっている、たった一つの違い
一方で、同じ年代でも、決断が軽やかな人がいます。
彼らが特別に直感型だったり、雑だったりするわけではありません。
違いは、たった一つ。
最初から、選択肢を減らす前提で考えている
たとえば、
- 条件は3つまでと決める
- 比較対象は最大3つ
- 100点ではなく「70点で十分」と考える
「もっと良い選択があるかも」という思考を、意図的に止めるのです。
これは妥協ではありません。
脳の仕組みを理解した、大人の戦略です。
選択は、少ないほうが幸せになりやすい
もし今、
- 決断が重く感じる
- 選んだあとに後悔が残る
- いつも迷い疲れている
そんな状態なら、覚えておいてほしいことがあります。
あなたが弱いのではない。
選択肢が多すぎるだけ。
減らすことは、逃げではありません。
自分の人生を前に進めるための、賢い選び方です。
次に何かを選ぶときは、
「もっと調べよう」ではなく、
「どれを捨てるか」から考えてみてください。
きっと、決断の重さは今よりずっと軽くなるはずです。
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