毎年、新年になると同じことを繰り返していました。
ノートを開き、「今年の目標」と書き、
健康、仕事、勉強、貯金……それらしい言葉を並べる。
その瞬間だけは、少し気持ちが引き締まるんです。
「今年こそは違うぞ」と。
でも、正直に言うと、
その目標が年末まで頭に残っていたことは、ほとんどありません。
三日坊主とまでは言いませんが、
日常に戻ると、目標は静かにフェードアウトしていく。
年末にふとノートを見返して、
「あぁ、こんなこと書いてたな」と苦笑いする。
それが、ここ数年の“新年あるある”でした。
今年も、同じようにペンを持ちかけたとき、
ふと手が止まりました。
「これ、また一人で勝手に決めて終わるやつだな」
そう思った瞬間、
たまたまリビングにいた家族に、こんなことを聞いてみました。
「ねぇ、今年どうしたい?」
本当に、深い意味はありませんでした。
目標会議をしよう、とか
人生設計を語ろう、とか
そんな大げさなものではありません。
すると、返ってきたのは、
拍子抜けするほど、普通の答えでした。
「家族で、もう少しゆっくりご飯食べたいね」
「忙しすぎない一年がいいな」
「ケンカしないで過ごしたい」
どれも、ノートに書くような“立派な目標”ではありません。
でも、その言葉を聞いたとき、
胸の奥が少しだけ、あたたかくなりました。
その日から、私の中で「新年の目標」の形が変わりました。
何かを達成するための宣言ではなく、
「こんな時間を大切にしたいね」という
家族との、ささやかな約束。
不思議なことに、
それは今も、ふとした瞬間に思い出されます。
仕事が立て込んできたとき、
「今日は少し早く切り上げようかな」と思えたり。
疲れてイライラしそうなとき、
「ケンカしないで過ごしたいんだったな」と、立ち止まれたり。
誰かと共有した目標は、
紙に書いた目標より、ずっと日常に残るんだと気づきました。
新年の目標が続かないのは、
意志が弱いからでも、計画が甘いからでもないのかもしれません。
ただ、少しだけ
「一人で背負いすぎている」だけ。
もし、今年の目標に迷っているなら、
ノートを開く前に、
身近な人にこう聞いてみてください。
「今年、どうしたい?」
その会話の中に、
あなたにとって一番大切な“目標”が、
もうすでに隠れているかもしれません。

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