本日は、当事業所のような形態に欠かせない『児童発達支援管理責任者』について触れたいと思います。
放課後の教室の片隅。
一人のスタッフが、真剣なまなざしで子どもたちを見つめている。
彼の肩書は「児童発達支援管理責任者(以下、児発管)」――聞き慣れないかもしれませんが、今や全国の放課後等デイサービス(略称:放デイ)には欠かせない存在です。
制度の変化が現場の「空気」を変えた
2012年、児童福祉法の改正により「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」が制度として整えられました。
それまでは、地域や施設によって支援の方法がバラバラで、“善意”に頼る現場が多かったのです。
国は「量」だけでなく「質」も確保するため、一定の専門性を持つ職員として児発管を配置することを義務づけました。
児発管は、子ども一人ひとりに合わせた**「個別支援計画」**を立て、定期的に進捗を確認(=モニタリング)し、必要があれば修正します。
つまり、支援を“設計し、調整する”仕事です。

「支援者」から「設計士」へ
初期の児発管は、直接子どもと関わる時間が多く、現場の支援者としての役割が中心でした。
ところが放デイが全国で急速に増えたことで、求められる仕事の中身が変わります。
例えるなら――
かつては「家を一緒に建てる職人」だった児発管が、今では「設計図を描き、職人を導く建築士」のような存在になったのです。
子どもの発達段階を見極め、支援員や保育士、保護者と連携し、チーム全体をまとめる。
現場の誰よりも“支援の方向性”を見定める視点が求められるようになりました。
書類の山の裏にある“想い”
一方で、制度改正のたびに書類が増え、「事務仕事ばかり」という声も多く聞かれます。
しかし本来、書類は「形」ではなく「対話のきっかけ」。
計画書や記録は、支援員が方向性を確認し、保護者と想いを共有するための**“コミュニケーションツール”**なのです。
児発管が書類に向き合う姿は、一見地味ですが、
それはまるで「未来の支援地図」を描いているような作業。
その一枚一枚の線が、子どもの成長につながっています。
これからの児発管に求められる力
今、放デイの数は全国で1万カ所を超えました。
競争が激化する中で、児発管には支援の専門性だけでなく、チームをまとめるマネジメント力が必要とされています。
スタッフ育成、保護者支援、他機関との連携――
まさに「支援の要」として、現場を動かす舵を握っているのです。
制度は変わっても、“子どもを想う心”は変わらない
制度が変われば、現場も変わる。
けれど、どんなにルールや書類が増えても、児発管たちの根底にあるのは「子どもをより良く支援したい」という想い。
制度の波に翻弄されながらも、その想いこそが支援の灯を絶やさない原動力です。
児発管の歴史は、制度の歴史であり、同時に“現場の挑戦の歴史”でもあります。
次の10年、どんな形に変わっても――
その手で未来の子どもたちの笑顔を描いていくことに、変わりはないでしょう。

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